あるソル日記

ある日、ある場所、ソルアの日記

朝靄の町並み

「おい。何か食ってるだろ」
「はぐっ?!んぐっ……っにも食べて無いよっ!」
「嘘つけーい!w」

変なタイミングでクロスが起きた。
白い獣に貰った果実を食べて終わる少し前の頃だった。
「この国の産物だな?魔力を込めれば薬や毒にもなる…吐け、ってのは無理か。何処で手に入れた?」
言った方が良いだろうか…
あ。
「そ、そんなことより!w」
「こら。話を逸らすな」
「人売りの方に会ったよ」
「…はぁ!?」
人売りの方…、白い獣の兄さん。
私に果実くれた方。
「昨日会ってー、私…標的なんだって。この国の生贄の。」
そう。
獣は私にそう言った。
逃げろって、ね。
「お前は阿呆かあぁぁ!!」
意外なぐらいのクロスの反応。
「今からでも走るぞ。それをお前に伝えて来た人売りは…かなりの自信があるらしい」
クロスは窓枠に手を掛けた。
「まだ日は出ていない。ほら早くしろ!」
「え…ちょ?!w」
(窓から出るのー!?)
階段からでも行けるのに。
ここ、二階。
「ちゃんと着地しろよな―!」
「わ…わあぁぁ!?!?」
クロスに軽く突き落とされた。
なんで私が先なの;
 
朝靄の町並みを走る。
外気が肌に刺さるように冷たい。
昼間はそうでもなかったのに。
「何処まで行くの?」
「とりあえず国の外だ」
走りながらクロスはそう答えた。
どこからか犬か狼か、遠吠えが聞こえる。
国の出口。
出てすぐクロスは足を止めた。
「…来たな」
白い獣の兄さんがいた。
「あ…あれっ…!?」
急に、体が動かなくなった。
体がほてっている気がしてボーッとなった。
「…ちょ!まさかお前、話流されたがあの果実…まさか人売りの野郎から…!」
「あ…あははー…。当たり、かもね」
どうしたんだろう、私の体。
「果実の効果は゛惚れ薬゛とでも言っておこうか?」
白い獣がフッと笑った。
(え…そうなの?)
「おい人売り。弟みたいに狼を従えてはこないのか?」
「その必要は無い。俺は甘くは無いからな…。やるときは、やる。」
…本気?


白い獣の深緑の瞳がキラリとした。
クロスが銃に手を掛けた。

破爆の力を込めた銃弾。
きっと近所迷惑