あるソル日記

ある日、ある場所、ソルアの日記

果実の香り

宿で眠りにつく。
白い獣から貰った果実は枕元に。
…甘い香りがする。
馬車で顔を埋めた毛布の匂い。
…何か忘れているような気がした。

けれど起き上がる気力はない。
そっと眼を閉じた。
そういえば。
宿の中に、屋根に上がれるハシゴがあったなぁ…
 
ハシゴを上り、屋根から顔を出してみると青くて白い、月が見えた。
満月。
それと…
「銃使いに伝えなかったのか…?」
白い獣の兄さん。
あぁ。
クロスに伝える事、すっかり忘れていた…。
「おいで…、ソルア。」
呼ばれた、初めて。
胸がキュンとなった気がした。
屋根に上がって、白い獣の横に並んで座る。
「…いい子」
白い獣の意外な言葉に顔を上げようとして、押さえられた。
…いや、正確には頭に手を置かれたのか。
ゾクリとした。
髪と一緒に耳を撫でられた。
…困った。
何も言えなかった。
そして気付く。
月明りで屋根に映る影を見る。
獣の耳した影二つ。
白い獣と私。
…私?!
 
目が覚めた。
果実は相変わらず甘い匂いを漂わせている。
クロスは…?とベッドを軽く除くと、まだ寝ていた。
(今の内に果実、食べて大丈夫よね…?)
そう思った。
でも……
(なんだったんだろう、今の夢)

…という夢;(
夢なんです;
白い獣がくれた果実、現実側で食べたい…
どんな味かって?
うーん……綿飴。